見る・歩く
日本サンショウウオセンターでは、赤目生まれのオオサンショウウオを含む国内産を中心に、9種約50余匹が展示されています。
オオサンショウウオは「生きている化石」と呼ばれる稀少動物で、特別天然記念物に指定されています。その個性的な姿や生態をじっくり見ることができるのはここならでは。
入館料 | 赤目四十八滝入山料に含みます。 |
---|---|
営業時間 | 【夏時間】 4月~11月 8:30am~5:00pm 【冬時間】 12月~3月 9:00am~4:30pm ※ライトアップ期間中は8:00pmまで営業 ※1月1日~1月2日は 9:00 am ~ 3:00 pm 【休館日】 12月28日~12月31日 1月1日~3月 第2木曜日までの毎週木曜日 |
サンショウウオは両生類の仲間です。
両生類とは殻のない卵を産み、子供のときは水中で、大人になると陸で生活する動物のことです。
日本の両生類は有尾目(サンショウウオ・イモリの仲間)・無尾目(カエルの仲間)がいます。
サンショウウオの仲間は世界中に約500種類、日本では約20種類が確認されています。そのほとんどが北半球の温帯地方で生きています。涼しく、湿度の高い山地の谷川や水辺などがお気に入りです。きれいな自然の中でないと生きていくことができません。
夜行性で昼間は岩陰などに隠れていてなかなか見ることのできない動物ですが、雨の日や産卵期には運がよければ出会えるかもしれません。
オオサンショウウオ以外のサンショウウオの仲間は、卵を産む時期だけ水の中に入ります。
流れのある水辺にすむ流水性型と池沼や水田などにすむ止水性型に2つにわかれます。
明るい昼は身をひそめ、夜になると動きはじめるサンショウウオはまるで忍者です。
イモリとサンショウウオは、見かけにいくつか違いがあります。下記の表をご覧ください。
サンショウウオ | イモリ | |
---|---|---|
体表 | ツルツルしている。 | 少しザラザラしている。 |
体色 | お腹や尾の下側には赤色やオレンジ色はない。 | お腹や尾の下側には赤色やオレンジ色がある。 |
分泌 | ヒフより白い粘液をだす。 | 目のうしろから(耳腺)有毒な分泌液を出す。 |
卵 | 卵のうに包まれたくさんの数。 | 水草に一つ一つ産みつける。 |
受精 | 卵は産みだされてから受精する。 | 雌のお腹の中で受精する。 |
幼生 | フ化幼生はバランサーを持っているものと持っていないものがある。 ツメを持つものもある。 |
フ化幼生はバランサーを持っている。 ツメはない。 |
肋条 | サンショウウオのお腹の横にはシワがあり、種によって異なる。 | イモリのお腹の横にはシワがない。 |
歯 | 口の中の上アゴに鋤口蓋歯列がありこの形が異なる。U・V字形。 | 口の中の上アゴに鋤口蓋歯列がありこの形が異なる。逆V字形。 |
体外受精は水に住む動物に多い習性です。
注)体内受精とは、体の中で受精卵(赤ちゃんに育つ卵)をつくること。
体外受精は、卵を産みだしたあとで受精卵をつくることです。
ここ赤目はオオサンショウウオの生息地です。
和名 | オオサンショウウオ |
---|---|
学術名 | Andrias japonicus |
分布 | 岐阜・三重以西の本州・九州 |
産卵場 | 300~2500m程度の山間部の河川 |
身体的特徴 | 暗褐色、不規則な斑紋胴は長く四肢は短い 頭部は偏平で大、多くのイボがある。目は小、ほとんど見えない |
全長 | 全長平均800㎜程度 大きいもので1200mm程度 |
生息条件 | 流水性 |
その他 | 8~9月繁殖期 俗称ハンザキ 長寿 一生水中生活 卵は雄が保護 特別天然記念物 開発で生息地と、個体数が減少 生態は不明点多い |
オオサンショウウオ科はオオサンショウウオ・アメリカオオサンショウウオ・チュウゴクオオサンショウウオと、世界で3種しかいません。 長生きのオオサンショウウオは一生水の中で暮らします。卵を守るのはヌシと呼ばれる雄の仕事です。
3億年以上も昔にはじめて海から陸にあがったイクチオステガが最初の両生類です。水からあがって陸で生きるためには、空気から酸素をとりいれる肺と、陸で体重をしっかり支える背骨と、ヒレの筋肉を発達させる必要がありました。
ヨーロッパでは大昔に絶滅してしまい、今は日本と中国と北アメリカでしか生きていない、世界でも大変珍しいオオサンショウウオ。約3000万年前の化石とほとんどかわりのない姿で、まさに「生きた化石」です。
江戸時代、長崎商館の医師シーボルトが鈴鹿の山でオオサンショウウオを手に入れて祖国オランダに持ちかえり、ヨーロッパに紹介してオオサンショウウオは世界に知られるようになりました。
運が良ければ川でもオオサンショウウオに出会えます!
会いにきてね!!