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延寿院としだれ桜

春はしだれ桜が見事な美しさです。
日本三体仏のひとつを安置する延寿院。
国の重要文化財、鎌倉時代の石燈籠が境内にあります。

延寿院の由緒

黄龍山 延寿院(現在は天台宗に属す)は今から1300余年前、神変菩薩役の行者小角が開いたものと伝えられる。往昔、役の行者が滝にうたれて秘法を修していたとき、不動明王が赤い目の牛に乗って出現せられたといわれ、後にその不動明王を祀り赤目不動尊として行者の守り本尊とし、堂宇を建立し今日に至ったものと伝えられる。
しかし史実としては、今を去る900年前の承保年間、河内の人金剛仏子正縁が夢の中で三所権現のお告げにより、なばりの南方黄滝に生身の不動明王をみ、後築智坊延増が赤目山中に千日籠居し、黄龍山聖王龍寺(又は青黄色龍寺)と号して南都東大寺の下寺として八坊を建立したと分献に記されている。

いずれにしても、平安朝から鎌倉時代山岳仏教の道場として栄えていた。
鎌倉時代より室町、戦国の世にかけて仏教思想の上に弥陀の浄土思想が興り、従来よりの密教思想や龍神信仰と相俟って赤目の滝は、その深山幽谷で滝の数も多く、龍が棲むといわれる位の底知れぬ深澤があり、弥陀の浄土に生まれようとする浄土思想の実践にふさわしい道場であった。
滝も「あみだが滝」と呼ばれており、48滝もこの阿弥陀如来48願からつけられたとも言われている。

その後八坊伽藍も後三条天皇勅願により再建されたが、天正年間伊賀の乱に(伊賀忍者の修練場であったために)、織田勢によって灰燼に帰したのである。
わずかに残ったのは、鎌倉時代の石灯籠と菊の紋章入りの巨大な鬼瓦ぐらいであった。
後に藤堂高次公が不動院観音堂を建て、代々藤堂家の祈願所として明治維新まで庇護されてきたのである。

赤目滝 延寿院

三重県名張市赤目町長坂755
電話:0595-63-3009
本尊拝観料 要予約 1,000円(御縁記・法楽・記念品)

※尊拝観は、しばらくの間都合により休止させていただきます。